扇風機のモーターの仕組みを解説｜ACモーターとDCモーターの違いや寿命も

扇風機を選ぶとき、皆さんは何を重視して選びますか？サイズや形状、価格はもちろんですが、羽根の枚数や風量調節機能など使い勝手を考えて商品を検討している方が多いかもしれません。その中で、意外と仕組みや種類を知らないのがモーターです。

扇風機に採用されているモーターには、DCモーター（直流モーター）とACモーター（交流モーター）があります。「DCモーターは壊れやすい？」「寿命は異なる？」など両者の違いについて疑問がわいてきますが、表記だけでは特徴まで分からないですよね。

実は、どちらのモーターを選ぶかによって電気代や風の当たり心地が全く異なります。そこで今回は、このDCモーターとACモーターの違いやメリットとデメリットを詳しく解説します。それぞれのおすすめ商品も紹介するので、参考にしてください。

最近主流となりつつあるDCモーターは直流モーターとも言い、常に電圧が一定で一方行にしか電流が流れない構造になっています。扇風機のモーター以外にも、乾電池やバッテリーなどが直流電源の形態です。最新の家電にはDCモーターを採用しているものが増えており、性能を高めるために一役買っています。

一方、ACモーターは交流モーターとも言い、電圧が一定の周期でプラスとマイナスに切り替わる仕組みになっています。そのため、電流の流れる方向も常に変化しているのが特徴です。壁に設置されているコンセントがAC電源であるため、一般的な家電の多くがAC電源に対応しています。

DCモーターを搭載した扇風機は消費電力が少ないため、他の扇風機と同じ出力でも電気代が安く済むメリットがあります。ACモーターと比べるとその差は大きく、機種によっては1時間に0.04円と、ACモーター搭載の扇風機の10分の1しか電気代がかかりません。

扇風機は元々消費電力が高い家電ではありませんが、長期的に考えるとDC扇風機を使用するほうが節約効果は大きいです。

DCモーター搭載の扇風機は低電力でも回転が安定しているため、ACモーターに比べて細かい風量調節が可能です。機種によっては8～9段階で調節できるものもあり、一般的な弱設定よりも弱いそよ風のような微風を作り出せます。また、温度センサーや広範囲の首振り運転など、機能面が充実しているのもDC扇風機の特徴です。

DCモーターを搭載している扇風機は、ACモーターに比べて運転音が静かな特徴があります。扇風機は夜通し使う場合も多いので、睡眠の質を落としたくない方や赤ちゃんがいるご家庭にはDCモーターがおすすめです。

メリットの多いDCモーターですが、その分価格はACモーターよりも高めなデメリットがあります。そのため、できるだけ安く購入したい方には適しません。ただし、少し値が張っても機能性に優れた扇風機が欲しい方には最適です。ACモーターよりも電気代が安く済むため、最終的にはコストパフォーマンスが高いケースも考えられます。

性能の高さが魅力ですが、価格が高い点がデメリットと言えるDCモーター。それに比べてACモーターはコスパを重視した商品が多く、5,000円以下で購入できる機種も数多く展開されています。気になる性能面に関してですが、大手メーカーから発売されている機種は静音性や風の質にこだわったものも多いのでチェックしましょう。

エアコンからの空気を循環させるサーキュレーターとして使うのもおすすめです。起動させておけば室内の換気が自然とできるので、ウィルス対策にも繋がります。

ACモーターのメリットは、操作性がシンプルでわかりやすい点も挙げられます。基本的に電源ボタンと風量調節ボタンで操作できるので、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層の方が簡単に使えます。機械の操作が苦手な方や説明書を読むのが面倒な方も、気軽に使える設計です。

ACモーターのデメリットは、人によっては運転音がうるさいと感じる点です。勉強しているときや寝ているときは、運転音が大きいと煩わしくなりますよね。とくに就寝中は音が大きいと睡眠を妨げる可能性もあります。シーンを問わずに使える静かな扇風機を求めている方は、DCモーターを検討してみましょう。

扇風機を長年使用していると徐々に運転音が大きくなったり、ガタガタ・ブルブルといった異音が発生したりします。特に、首振り機能を使っているときに異音がするケースが多いです。

扇風機から大きな音や異音がする原因は、主にモーター軸受けの油切れやモーターの劣化などが考えられます。首振り時に異音が起こりやすいのは、首振り用のモーターが劣化しやすいからです。

音が気になる場合は、モーターの軸受け部にミシン油を塗布して様子を見ましょう。異音を放置すると火災の原因にもなりかねないので、改善しない場合にはメーカーに問い合わせるか買い替えを検討してください。

扇風機を使用していると、時々モーター部分が熱いと感じます。モーターが熱を帯びると故障を疑う方も多いですが、異常がない場合でもモーターの回転に伴って多少の熱を帯びるのが普通で、故障ではありません。熱いと感じたら少し運転を停止させ、モーターを休ませましょう。

ただし、気をつけたいのは手で触れられないほど高温の熱を持っているケースで、この場合はモーターの劣化や故障の可能性があります。そのまま使い続けると煙が出たり発火したりする危険性もあるので、使用を中止しましょう。

また、モーターが熱くなるだけでなく異臭や異音を伴っている場合も使用を中止して、メーカーや販売店に相談するのをおすすめします。

電源コードがコンセントにしっかり接続されているにもかかわらず電源を入れてもモーターが動かない場合には、モーターの寿命や故障が考えられます。また、スイッチを入れてもファンの回転が異常に遅い、不規則である場合にも何らかの不具合が生じている可能性が高いです。

このような場合は、自分で直そうとせずメーカーに相談して修理の依頼をしましょう。使用年数が長い場合には、部品が手に入らなかったりするので買い替えたほうがいい場合もあります。

ただし、まれにモーター部分にほこりが溜まって動かないケースもあるので、長期間掃除をしていなかったり見るからにほこりだらけだったりする場合には、一度掃除をしてモーターが動くかどうか試しましょう。

羽の枚数は3～14枚まで機種によって異なります。羽が多いほど、自然ななめらかな風になります。特に弱風や中風など弱い風ほど風の質の違いを感じますので、寝る時に使いたい場合は多めを選ぶといいです。

また、羽の枚数が多いほど遠い場所にまで風が届きやすくなります。

扇風機本体に操作ボタンが付いていますが、一々しゃがみこんで設定するのは面倒な時もあります。そこで、リモコンが付いていると離れた場所からも扇風機の設定を変えられるのでとても便利です。

機種によってリモコンでできる操作の範囲が変わるので、必要な機能が付いているかどうか確認してくださいね。特に風量切替が付いているタイプがおすすめです。

夜間の使用や赤ちゃんがいるご家庭など、扇風機を使う環境によっては扇風機の動作音が気になります。その場合は、音が静かなタイプを選ぶと音を気にせず使用できます。扇風機のモーター音だけでなく、首振りの時のカタカタ音も気になったりするので、音に敏感な方は店頭で動作している実物をチェックするのがおすすめです。

扇風機に不具合が生じたとき、機械工作が得意な方は自分で修理したり改造して再利用したりするかもしれません。しかし、ほとんどの扇風機は取扱説明書に分解や改造を禁止する旨の表記があります。一度分解や改造をしてしまうと、保証期間内であっても保証が適用されなくなるので、よく考えてから自己責任で行いましょう。

扇風機が壊れた際の修理費用が分からない方も多いですよね。修理費用は約4,000円～1,0000円ほどかかります。自分で修理する方もいますが、モーター交換などの内部による修理が必要なら業者に頼みましょう。下記のサイトにより詳しく記載されています。

DCモーターとACモーターにはそれぞれ違った特徴やメリットがありますが、最近ではDCモーターが主流となりACモーターを採用した扇風機は商品数が少なくなっています。モーター1つで風の当たり心地も変わるので、自分に合った扇風機を選び夏を快適に過ごしましょう。